災害時用に長期保存の非常食を購入して試食してみたのでその感想を。
といっても、「色んなメーカーの商品を食べ比べてみました!」みたいなレポではなく、とりあえず試しに購入してみた商品の「初めての長期保存食」みたいな感じの簡単な体験談。
素人目線です。
商品やメーカーに関してはかなりピンポイントになっているのであしからず。
ちなみに今回試食したのはこちらの商品。↓
■サタケ マジックライス (賞味期限約5年、付属品:スプーン)
マジックライスという商品名だが、商品説明を見てみるとおそらくフリーズドライ米に当たる思う。
アルファ米とは製法や保存期間、食感などがまた違う。
商品ラインナップはかなり豊富で、上の写真に載っているのは下記の通り。
白米・わかめご飯・梅じゃこご飯・青菜ご飯・炒飯・五目ご飯・えびピラフ・牛飯・ドライカレー
「軽量で持ち運びしやすいからこれだ!」
と思って購入したけど、考えてみたら食べる際にふやかすための水も携帯しないといけないから、結局重さは同じことになるか…。
■東和食彩 おいしい防災食シリーズ(賞味期限約3年)
軽量のフリーズドライ食とは違い、まあそれなりに重量はある。
一般的なレトルトカレーなどと同じくらい。
商品ラインナップは6種類ほど。
普段の食卓に馴染みのあるおかずを取り入れているといった感じ。
上の写真に載っているのは下記の通り。
煮込みハンバーグ・卵入りおでん・野菜たっぷりとん汁・野菜とチキンカレー・やみつきカレー
価格に関してはオープン価格なのでどれが高いとも安いとも言えないけれど、長期保存食は一様に一般のレトルト食品なんかと比べてかなり割高。
加工の仕方や製造工程が違うだろうし、まあそこは仕方がない。
サタケ「マジックライス」を試食してみる
食べ方は開封してパックの中へ分量の水かお湯を注いでふやけるのを待つだけ。
そのままお皿など使わずに食べられるという優れもの。
水なら60分、お湯なら15分。
お湯を注ぎ入れる前に乾燥材と付属のスプーンを取り出すのを忘れずに。
スプーンが付いているのは地味に助かる。
これでうっかりスプーンが無くて手掴みで食べる羽目になるのは防げる。
出来上がった見た目はツヤが無く、ご飯粒の原型が無くなっている。
パラパラしていて食べてみると普通のごはんに比べて食感がパサパサ。
芯が残っているわけではないが、弾力とは言えない硬さがある。
そして味はというと、薄味好みの私が食べた感想としては、わりと味付けが濃い。
ここの写真の商品全部試してみたけど、白米以外全部濃い。
わかめご飯や青菜ご飯はそこまででもないんだけど、やはり少々しょっぱいかな。
自分の普段の食事が薄味なんで余計そう感じるのかもしれないけど、一般的な冷凍食品のご飯ものに更に塩少々加えた感じかな。
食べた後にけっこう喉が渇く。
非常時の水が貴重な時にこんな枯渇地獄に陥るのはまずいんじゃないのか?
味付け濃いのが苦手な人にはちょっと向いていないかもしれない…。
で、肝心の美味しいのか不味いのかって話だけど、何事も一長一短というか予想通りというか、そんなに美味しくはない。
商品レビューで
「美味しくて便利なので出張先のホテルにも持参しています!」
みたいなのあったけど、いやそれは無いわ。
私なら代わりに真空パックのお米と普通のレトルトカレー持って行くわ。
そっちの方が安いし美味しいし。
こんな書き方するとものすごく不味いような印象持たれそうだけど、上にも書いたようにあくまでも「そんなに美味しくない」って程度なので!
一般的なレトルト食品や冷凍食品にはやはり少々劣りはするが、「非常時に贅沢言ってられない」っていう程度だから、そこはご安心を。
マジックライスの白米と普通に炊いた白米とを食べ比べてみると顕著なんだけど、食感といい味といい普段のごはんにはやっぱり劣る。
白米以外の味付けが濃いのはもしかしてそういった理由もあるのかもしれない。
非常時のいざっていう時に食事が進まなくては本末転倒なので、そういった美味しく食べやすい工夫をした結果なのかもねと。
東和食彩「おいしい防災食シリーズ」を試食してみる
保存食なのでもちろん常温で保存可能。
食べる際にもそのまま封を切ればいいだけなのでお手軽。
温める場合は3~5分湯銭するか別の容器に入れてレンジで加熱、もしくは鍋に移し替えて加熱。
自立できるパックの形状でお皿を使わずにそのまま食べることができるそうだが、やっぱりあんまりうまくは食べれない。
できればお皿は持参しておいたほうが無難だと思う。
あとお箸やスプーンは付いていないのでそちらも忘れずに。
商品説明では常温のままでも食べれるってことだけど、カレーやおでんならともかく肉じゃがや豚汁はそのままだと油が固まって浮くんじゃないかな…。
冬場は特に顕著になりそう。
やはり加熱機器は何かしら準備しておいた方が良さそうだ。
味付けについてだけど、マジックライスの感想では散々味付け濃い濃い書いてたけど、こちらの東和食彩に関しては標準的な味付けといったところ。
濃くも薄くも無いって感じ。
食感については、肉はパサパサした感じ。
野菜はポソポソした感じ。
要するにそんな感じ…。
食材の組織がちょっとスカスカになったような感じの食感で、そして同様にうまみも少々抜け出してしまっているような感じ。
マジックライスと同様、美味しいかどうかというと一般的なレトルト食品にはやはり劣ってしまう。
しかし個人的にカレーは結構おいしかった。
試しに1種類買ってみようかと悩んでいるのなら、「野菜とチキンカレー」・「やみつきカレー」、おすすめしますよ。
あんまり美味しくはないんだけど、しかし非常時に肉じゃがやらおでんやら普段馴染みのあるメニューが食べられるのはうれしいところ。
「主食以外にもタンパク質の保存食も揃えておきたい!」
と思いこちらを購入したのだが、しかし魚の缶詰などと比べてどちらのほうがいいかというと、まあどちらでもいいかな…?といった感じ。
賞味期限は同じくらい長いし、どちらもお箸などを準備しておかなければならないのも同じだ。
外装が缶じゃない分パックの方が軽いと思うけど、こちらのシリーズはどれも汁物なのでその分重いし…。
紹介しておいてなんだけど、自分の好みを基準で選んでしまってもいいかな?と。
長期保存食のメリット・デメリットは?
賞味期限が長いので頻繁に買い足す必要が無く、また調理の必要が無かったりお皿に移し替えたりする必要が無かったりと、災害時に適した仕様になっている。
予算を考えた際には、値段が高くどうしても手を出しにくい面がある。
家族全員の1週間分を揃えようとしたらかなりの出費だ。
選べる商品の数も少なく、自分に合ったメニューがあるとも限らない。
また、普段の食事と味が違う・使い方に慣れていないなど、実際に使用する際に細かなストレスを感じる可能性もある。
長期保存食を購入するにあたって
試食の感想については、散々味付けが濃いとかパサパサしているとか好きなことを書いてきた。
しかしそのような体験から言えることは、長期保存食を購入したらまずは実際に食べてみてほしいということだ。
どんなものかも分からないままいざ非常時の際に初めて使用して、私のように「み、水…」みたいなことにもなりかねないからだ。
非常食が原因で体調を悪くしては元も子もない。
長期間の賞味期限にこだわらなければ、保存食の選択肢はかなり広がると思う。
ローリングストック法(ローリングストック法とは)などを取り込んで対策するのもいい方法ではないだろうか。
日頃レトルト食品を食べる機会があるならそれを上手く回転させればいい。
しかし普段忙しくて非常食のことまで手が回らないというなら全て長期保存食で揃えるのもありなんじゃないかな。
自分の生活スタイル・性格・好みなどをすり合わせて、自分に合った非常食対策を選ぶのがいいだろう。