突然ですが皆さん、「鴨川の等間隔カップル」ってご存知ですか。
どういうものかというと、京都は鴨川の河川敷に、実に均等な距離を空けて並んで座るカップル達のことなのだ。
地元ではお馴染みの街の風景のひとつなんだけど、普段見慣れていない人間が見ると結構不思議な光景らしい。
一体どんな光景なんだと、ここで気になった人がいるかもしれない。
しかし幸せそうなカップルの写真を撮る趣味は私には無いので、今ここに掲載できる資料を持ち合わせてない、ごめん。
適当にググっておくれ。
鴨川等間隔の法則
鴨川沿いにカップルが等間隔に並んで座る現象、
その名も「鴨川等間隔の法則」。
そのまんまである。
世の中にはほんと色んな法則があるんだなあ。
画像検索した人なら分かると思うけど、見事に「メジャーかなんかで測ったのか?」というような均等な間隔でカップル達が座っている。
一体どういうわけでこんな一定の距離を保って座っているのか?
京都には隣との距離をきちんと測ってから座る決まりでもあるのか、それとも京都人には自然に等間隔に座れるDNAでも刷り込まれているのか。
不思議に思うかもしれないが、実はこの現象にはちゃんとした根拠があるのだ。
それでは今から、なぜ鴨川のカップル達が等間隔に座るのかを解説していくよ。
鴨川・等間隔カップルの作り方
それではこれから鴨川等間隔カップルの形成過程を説明していきまーす。
まず、まだ人もまばらな鴨川の河川敷に数組のカップルがやって来る。
空間はゆうにあるので、彼らは特に何も気にすることなく適当な場所に座る。
段々と人通りの多い時間帯になってくるにつれ、河川敷にも人が増えてくる。
それに伴い河川敷に座るカップル達も増えてくる。
更に人が増えてくる。
カップル達は2人だけの空間を確保するため、他人との距離感を保つため、出来る限り両サイドの知らない人間達から距離を取って座ろうとする。
結果、左右どちらの空間にも同じくらいの距離の幅が生まれる。
新たに座りたいカップルがやって来ても、両サイドにパーソナルスペースが確保できる距離がなければ、たとえ物理的に座れる幅があっても間の空間が埋まることはない。
「空いてるとこないねー」といった感じで、他に座れる場所を探しに去っていく。
もしも座っているカップルがその場から立ち去ることがあれば、新たに現れたカップルによって速やかにその空間は埋められていく。
一日中この繰り返しである…。
京都の名物風景・鴨川の等間隔カップル
理由を知ってしまえばなんてことはない。
単に日本人の、ひいては京都人の、沈黙の内に場の空気と相手との距離感を読む能力が発揮された結果なのだ。
場所柄、外国人旅行者も多いので、中には同じように河川敷に座る旅行者達もいる。
日本人じゃないから間隔が乱れるんじゃないのか?って思うかもしれないけど、意外と「あ、もしかしてあの間隔を空けて座ったほうがいいの?」って感じに、同じように等間隔で座ってくれたりする。
異国の人にまで空気を読ませる「鴨川等間隔の法則」、すごい。
寒い季節などにはさすがに人もまばらになるのだが、夏場なんかは特に夜遅くまでカップル達がいちゃいちゃと蜜月を過ごしている。
金をケチりたい身としては、友人とお手軽に缶ジュースでも片手に河川敷でダベりたいのだが、なかなか空いている場所は無く、等間隔の法則を崩してまで間に割って入る気概も無い。
(そんな地べたに座り込んでないで、どうせなら夜景の綺麗なレストランにでも行って素敵なディナーでもしてこいよ!)
と思うのだが、鴨川の風情を楽しむのも恋人達の定番デートのひとつらしい。
くそう。
レッツ! 鴨川等間隔カップル
ま、そんな風に鴨川等間隔カップルは京都のちょっとした風物詩のひとつなので、京都に来た際にはどうぞ鴨川にお立ち寄りください。
眺めるもよし、観察するもよし、自ら参加するもよし。
ただし立ち寄る際には寂しい気持ちにならないように、あらかじめ誰かと一緒に現場へ向かうようにすること!