災害用保存食の購入と合わせて、保存食を温めるための非常用食品加熱袋・『モーリアンヒートパック』を購入した。
非常用持ち出し袋に入れておくため持ち運びしやすいものをと考え、携帯用のコンロや固形燃料など色々と検討した結果、軽量でお手軽なこちらの商品に落ち着く。
非常食と一緒に入れておけばこれを使って避難所などでも簡単に暖かい食事を食べることができる。
モーリアンヒートパックの特長と説明
「商品HPで見たから特長はもう知ってるよ!」って人は飛ばし読みしてもらっても大丈夫!
モーリアンズ株式会社から販売されている商品のひとつで、非常時の食品加熱に特化している。
火を使わずに発熱剤に水を注ぐだけで加熱ができ、かつ軽量・コンパクトなので利便性・安全性に優れている。
消費期限
約6年
重さ
Lサイズの加熱袋1枚+Lサイズの発熱剤3個で約180g
温め分量
HPに具体的な例が載っており、缶飲料なら何本、おにぎりなら何個とイラスト入りで説明されている。それを参考にするとLサイズのセットを使用した場合は大体大人1食分と考えてよさそう。
加熱時に必要な水量
130ml
加熱時間
約15~20分
発熱温度
発熱剤のサイズにもよるが、Lサイズで90℃くらい
説明に従って実際に使ってみる
商品説明を読むと簡単に使用できそうなんだけど、本当に簡単なのか?
いざって時にうまく使えなかったら困るので、ここはあらかじめ使ってみておくことにする。
手順は簡単に下記の通り。
1.加熱袋を開け底の部分を広げ自立させる
2.発熱剤を開封し加熱袋の底に置く
3.食材を発熱剤に重ねて置く
4.加熱袋へ分量の水を入れてチャックを閉じる
5.15~20分、袋を眺めてボーっと待つ
そして試してみるのは次の2パターンのメニューセット。
①ドライフード米 + カレーパック + 卵 各1個ずつ
②ドライフード米 + サバ缶 + 缶飲料 各1個ずつ
②のセットの写真にインスタント味噌汁が写っているが↑こちらは投入していない。
味噌汁が飲みたかったので必要なお湯を作るための飲料水を投入した。
…とはいえペットボトルは高温で変形してしまうため、まずペットボトルの水を空き缶へ移し替えるという作業が必要になる。
なかなか面倒なので最初から缶入りの水が欲しいのだがそんなのあるのか…
って思ってたらめっちゃあったわ。水素水。
効果が有るとか無いとか色々話題になってたけど、このためにいたのかお前。
なんだかんだで準備が整ったので、それではいざっ!作業開始!
1.加熱袋を開け底の部分を広げ自立させる
2つに畳んで収納していたため、加熱袋に畳み癖が付いてしまっており若干広げにくい。
袋の底をボコボコ殴って半ば無理矢理広げる。
まあ倒れないって程度の状態をキープする。
2.発熱剤を開封し加熱袋の底に置く
発熱剤の外装袋をノッチに沿って破り、加熱袋の底に取り出した発熱剤を置く。
外装袋は後で注ぎ入れる水を量るために必要なので大事にとっておく。
3.食材を発熱剤に重ねて置く
使用方法に「発熱剤に重なるように置く」って書いてあるんだけど、食材の重みやなんかで発熱袋の底がペコポコ歪んで上手く平らに重ねられない。
まあ、なんとか全部くっついてるかな?ぐらいの重ね位置で妥協する。
4.加熱袋へ分量の水を入れてチャックを閉じる
さあ、ここからが本番ですよ。
発熱剤に水が触れるとすぐに加熱が始まるということなので緊張感がみなぎる。
水を注ぎ入れる→素早くチャックを閉じる。の一連の動作を数回シミュレートし、いよいよ実際に水を注ぎ入れる。
…よかった。
注いだ瞬間にジュワワワワーッと蒸気が噴き出すことも危惧したけど、そんなことは無く無事にチャックを閉めることが出来た。
発熱剤にまんべん無く水が掛かるように軽く袋を揺らせてチャプチャプさせる。
5.15~20分、袋を眺めてボーっと待つ
チャックを閉じてから数秒後、ボコボコボコボコボコ と水から気泡が発生し急速に反応が始まる。
※発熱が始まると袋上部の蒸気穴より高温の蒸気が噴出するので気を付けること。
※また発熱の際に微量の水素ガスが発生するそうなので決して袋に火気を近づけないこと。
この2点には注意しよう!
数分間ひとしきりボコボコフィーバーして、その後は徐々にゆーくりかけてボコボコが小さくなっていく。
今回2パターンの食材の組合せを温めてみたんだけど、ボコボコの継続時間が結構違う。
これって何の差だ?中に入れている食材の違い?それとも発熱剤の個体差??
①の組合せはボコボコボコボコボコボコボコボコ って急騰急落って感じ。
②の組合せはボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ と体力温存型って感じ。
そしてボコボコいっている間かすかに何やら独特の匂いが漂って来るのだが、これ何の匂いだろう…。
刺激臭ではなく、臭いって言うほどの匂いでもない。
なんていうか鍋が温まったような匂い、ちょっとビニール臭も混ざっている。
多分発熱袋と中の食材のアルミパックとかが熱せられている匂いだと思う…。
そして①は約15分経過後、②は約30分経過後、発熱反応は次第に小さくなり、ボコボコ… ボコ… …… と完全に沈黙。
発熱が静まったのを見計らって開封することにする。
気になる出来具合は?
チャックを開封してみるとまだわずかに蒸気が発生している。
火傷しないように気を付けながら食材を取り出す。
取り出してみると食材に全体的に何やら白い粉が付いている …何これ…
発熱剤から何か溶けだしたものか?それとも水が蒸発する際に残った残留物か何かか?
モーリアンズ社のHPを見てもそれに関する記述は見当たらないのですごい謎なんだけど。
発熱袋裏面の注意書きに「発熱後の残り水は無害ですが飲めません」とある。
無害だけど飲めないってちょっと矛盾を感じるんだけど、じゃあこの粉は拭き取っておいた方がいいのか。
ちなみに発熱させるための水は水道水など以外にも川水や雨水でもいいらしい(ただし海水はダメ)。
しかし食材の開封時に雑菌なんかが混入する可能性もあるし、出来るだけきれいな水を使った方がいいかもね。
早速試食してみた!
①ドライフード米 + カレーパック + 卵 各1個ずつ
きちんと温まっている。
開封した際には湯気が立ち上がっていたが、パックの端を持てば触れないほどではない。
慎重に開封してお皿に移す。
めっちゃ普通のカレーライスとして出来上がっている。
食べてみるとそこまで熱くはないがほかほかとしている。
そして卵のほうだが、加熱袋に投入した際に他の食材に阻まれて発熱剤から少し離れていたためちゃんと固まるのか心配していたけれど、問題なくゆで卵に仕上がっている。
しかも結構ハードボイルド。
②ドライフード米 + サバ缶 + 缶飲料 各1個ずつ
発熱袋から取り出そうとすると明らかに①のものより熱い。
やはり発熱時間が違うせいか…?
ドライフード米はお皿に移してから冷めるのが早いせいかそこまでの違いは感じないけど、サバ缶なんて缶ごと中身も熱々だし、水素水で作った味噌汁なんてふーふーしないと飲めない。
…ちょっとこの出来上がりの温度差が腑に落ちない感じだけど、でもどちらも食べるのに問題ない仕上がり。美味しく頂きました!
使ってみたけどこれはおすすめ
最初は上手く使えるのか?と危惧したけれど、商品HPで紹介されている通りとても簡単に使用できる。
使い方は加熱袋の裏面にも印刷されているので、初めて使用する際にも説明書き通りに作業すれば問題ない。
加熱時に蒸気が出るが大した量ではないし、火を使わないので屋内でも使用できるのはかなり便利。
ところで食材を温める以外には何かに使えるのか?
というと特に何も思いつかないのだが、軽量かつ収納スペースもさほど取らないので、持って行くことのデメリットも同様にそれほど無いのではないかな。
持ち運び用の加熱機器でお悩みなら、一度選択肢のひとつとしてモーリアンヒートパックを検討することをおすすめするよ!