医療関係や製造業の現場では夜勤スタッフの募集は珍しくなく、時給が高いという点では魅力的な仕事である。
特にアルバイトで生計を立てていて、
「今月は祝日が多かったな…来月は赤字決定…(死)」
なんて生活をしている人には夜勤バイトの高時給はかなりの魅力だ。
実際私も夜勤の仕事をしていたことがあるが、日勤の時とはかなり手取り額に差があり、そういった点では金銭面でも精神面でも余裕が持つことができた。
しかし一方で、夜勤が原因で体調を悪くする人もいるので、決してメリットだけとは言い切れない。
実際に自分も体調がぼんやりとした状態が続くようになり、夜勤の仕事からは1年ほどで足を洗った。
夜勤の仕事が合うか合わないかは、個人の体質によってそれぞれ違う。
しかし、私自身や周りの意見を聞いていると、実際に働いてみないと分からない場合のほうが多いようだ。
夜勤は体質が合わなければ「高時給だけどしんどい仕事」になる。
しかし逆に自分とマッチすれば、「しんどくないのに高時給の仕事」になる。
今この記事を読んでるってことは、夜勤の経験がない人ってことでいいのかな?
「高時給の仕事だからやってみなきゃ損だよ!」と言いたいところだけど、とりあえずはこの記事を読んでみてから決めてね。
夜勤を選択するのはどんな人?
周囲の人々とはズレた生活をすることになる夜勤だが、それをあえて選ぶというのはどんな人たちなのか?
ざっと書くとこんな感じ。
1 お金を稼ぎたい
2 人間関係がめんどくさい
3 次の仕事までのつなぎ
4 もともと夜行性
大半が1のお金を稼ぎたいって人。この理由がやっぱり一番多い。
2の人間関係がイヤだから人の少ない夜勤を希望するって人もそれなりにいる。
中には3のように、休職中や失業中の腰掛に夜勤の仕事をする人もいる。
あとは単純に普段の生活が夜型だからっていう4の理由の人もそこそこいる。
夜勤をおすすめしない人
夜勤には魅力的な面も多いが、安易に選択せずに、ある程度検討をしてから選択するほうがいい。
次に挙げる人にはあまりおすすめはしない。
1 もともと昼型の人
2 家庭のある人
3 昼型生活の友人とも交友を続けたい人
4 日常生活で昼間開いているお店を利用する人
5 あまり若くない人
基本的には、今まで昼型の生活を送っていた人には夜勤はおすすめできない。
まあ、当然か。
もともと昼型の人が急に昼夜逆転の生活を始めるには、やはりそれなりのハードルがある。
とはいえ、おすすめしないだけで無理ってわけではない。
次の項目の説明を読んで、夜勤をしてみるかどうかの参考にしてみてほしい。
夜勤をおすすめしない理由
夜勤をおすすめしない理由は、基本的に周囲の人たちと生活リズムが合わないのと、それを起因とする不便さや心身の不調などがある。
体のリズムが切り替わるまでに時間がかかる
昼型の生活から夜型の生活に体のリズムを切り替えるには当然ある程度の時間がかかる。
私の場合は夜型の生活に適応するまでに約2週間ほどかかった。
そうなると2交代制や3交代制の勤務の人は、夜勤専属の人以上に体への負担が大きいと思う。
夜勤の種類について
最初の2週間くらいは体がシャキッとしない感じで、夜中の2~3時を過ぎたあたりから集中力が低下し意識がぼんやりとしてくる。
眠いのとはまた違う感覚で、昼間に睡眠をきちんと取っていてもそのような状態になってしまう。
昼間は意外と寝れない
体内時計が切り替わるまでは、夜間きっちりと働いていても日中に熟睡できない。
昼型の生活をしていた時は、休日に読書をしていたら寝落ちして気が付いたら夕方。。
なんてことはよくあり、余裕で眠れると思っていた。
しかし予想外に眠れなかった。
同じ夜勤スタッフの人や夜勤の経験がある人に聞いてみても同様で、「1~2時間ごとに目が覚める」と言う人はわりと多い。
まさに自分もそんな感じだった。
仕事帰りにお店に寄れない
夜勤明けの時間帯に開いているお店といえばコンビニや吉野家くらいしか無い。
仕事帰りにちょっと本屋に寄る、ちょっと洋服を見て帰る、なんてことができない。
これが地味に不便。
たかが雑誌一冊、靴下一足くらいの些細なことでも、わざわざ仕事帰りの他に時間を作らなきゃいけない。
まあ、これについては「仕事帰り」じゃなくて「仕事前」に時間を作ればいいだけの話ではあるけども。
でも出勤前にお店に寄るのって時間に追われて落ち着かないし、「気ままにウィンドウショッピング」するにはあまり向いていないよね、っていう。
役所が開いていない
役所が開いていない。
いや、役所は開いているんだけど、「利用しやすい時間に開いていない」っていうのが正しいか。
夜勤だと日中の時間帯がフリーになるので、役所や銀行へは有給を取らなくても行き放題だ。
ただ、営業開始時間が朝の8~9時くらいからなので、夜勤の人からしたら夜の8~9時くらいにあたる。
そろそろ風呂入って寝るかって時間から出掛けたくないよねって話。
私は面倒だなと思うけれど、でも遅い時間に出掛けるのが平気っていう人もいるので、これは個人の感覚の違いかなと思う。
周囲の昼型の人と生活が合わない
世間一般の人たちとは半日ずれた生活をしているので、夜勤以外の人とは生活リズムが合わない。
夕方以降の時間なら合わせることも可能だが、こちらが朝ごはんの時間帯でも相手は夕ごはんの時間帯なので、何かと嚙み合わない。
まあ、大人になると人付き合いも減ってくることが多いので、そこまで不便を感じない人もいるかもしれない。
ただ、家庭がある人は家庭内で生活時間のズレができてしまうので、工夫が必要な面もあるんじゃないかと思う。
日中のイベントへの参加がきつい
夜勤の生活をある程度続けていると、そのうちに体のリズムが夜型へと適応していく。
しかし大人になれば冠婚葬祭や友人主催のイベントなど、付き合いの関係で日中に外出せざるを得ない時もある。
そんな時に夜型の生活リズムが身に付いていると少々きつい。
前日から睡眠時間の調整などはしてみるものの、急に体内時計が切り替わるわけではないので、日中はやっぱりぼんやりとしてしまう。
体調もそうだけど、イベントなどで100%元気な状態で周囲の家族や友人たちと盛り上がれないのが、少し悲しい気持ちになるというか。
気付かないだけで実は疲れている?
実はこれが一番怖いんじゃないかと思うんだけど、夜勤をやっていると自覚が無いだけで実は疲れているんじゃないか?という可能性も。
夜勤をしている人の話を聞いていると「睡眠時間が減った」「食欲が減った」と言っているのを耳にすることはある。
これといって健康診断などで引っ掛かる項目もなく、ただ「慢性的に体調が芳しくない」といった状態らしい。
「歳取っただけでしょ」とか「コンビニ弁当ばっか食べてるからでしょ(野菜食え)。」とか、夜勤とは関係ない可能性も、もちろんあるけれど。
実際に若い人たちの大半は元気なので、単純に年齢のせいなのかもしれない。
ただ、人と違う生活をしているという要因があるのは事実だから、少し不安にはなるよね。
夜勤をしていると体を壊すのか?
「夜勤をしていると体を壊す」という説を聞くことがある。
しかし、実際に体を壊した人を見たことがあるのか?と聞かれれば、私の答えとしては「ない」だ。
あくまでも私個人の体験談としてはね。
今まで手や腰を痛めて体を壊した人は何人も見てきたけど、夜勤が原因で体を壊した人には出会ったことがない。
…でも「夜勤で体を壊す」って、具体的にどんな感じなのかよく分かんないんだよね。
例えば、ぎっくり腰なら「ビキッ!」「痛っ!!」「腰を痛めたー!!」って感じで、原因が明白なんだけど、夜勤の場合は原因の根拠が不明瞭なのよ。
上にも書いたけど、夜勤をしていて体調が悪くなることがあっても、「何となく疲れてる」ってだけなんで。その原因が夜勤なのかどうかは分からない、という。
個人の体質ってほんとそれぞれ違うから難しい。
「夜勤で疲れてない?」って聞いても「何が??」って感じの人もいるし、逆に「夜勤始めてから何となくダルい。」って人もいるし。
でもその「何となくダルい」の原因も、勤務時間帯なのか仕事内容なのか食生活なのかが判断できない。原因が複数の可能性もあるし。
でも原因が分からないにしろ、もしも体調が優れないことが続くのであれば、夜勤を辞めることも選択肢に入れて考えてみるのがいいかもね。
夜勤に向いている人
夜勤をするには向き・不向きがあると思うが、適正があるのは次のような人たちだ。
1 生まれついての完全夜型人間
2 交遊関係が夜型人間ばかりの人
3 あまり人付き合いが必要ない人
4 コンビニ・ネット通販だけで生活できる人
もともと夜間の生活の方が向いている人なら、健康上も問題はないと思う。
あとは世間一般の生活リズムとズレがあっても、私生活に支障が出ない人も適性あり。
「習い事やショッピングなどの習慣がない」とか、「近所付き合いや親せき付き合いがあまりない」とか、そんな人ね。
夜型の生活をすることでストレスが発生しない人なら、夜勤の仕事に向いていると言える。
もう迷うことなく夜勤の仕事を選ぶといいよ。
自分に合った仕事を選ぶ
夜勤を希望する人って大抵はお金が理由だと思うけど、上でも説明した通り、自分の体質やライフスタイルに合うかどうかは検討したほうがいいと思う。
合わなければ辞めればいいだけの話だけど、正社員とかだとすぐに仕事を変えるのは難しいので、そのへんは慎重に判断をしよう。
ただ、私の夜勤経験から言えることは、世の中には夜勤に向かない人もいるけど、逆に夜勤のほうが向いている人がいるってことも事実だ。
実際に夜勤をしていた時に「ここ数年夜勤しかしていない。」「もう夜勤しかしたくない。」って人にチラホラ出会ったことがある。
今の時代、夜型の人たちは無理をしてマジョリティの生活リズムに合わせる必要はない。
自分に合わない生活を無理強いせずに、昼型の人と同様、自分にとってストレスが少ない生き方を選ぶほうが、肉体的にも精神的にも健康でいられる。
もしも夜勤の仕事に興味があるのなら、アルバイトや派遣で一度試しに就業してみるのがいい。
自分に合うか合わないかは、そこでの経験から判断をするといいよ。