30歳を過ぎたあたりから肌の衰えを感じ始めて、思い切ってプラセンタサプリメントの服用を始めてみたのだが、幸いに目に見えた効果を実感することができ、現在は肌の状態を良好に保てている。
しかしそんな自分の実体験とは裏腹に、最近そこかしこに散見する「プラセンタは美容に効果なし!」といったキャッチコピーが謳われている記事の数々…。
中には「プラセンタが美容に有効であるという科学的な証明はない!」と断言しているものまであり、それらの記事を読んでみて医学的知識の全くない私が抱くのは、
「なぜプラセンタサプリメントが自分には効いているのか、ものすごく謎。」
という疑問だ。
今では毎日のようにプラセンタサプリを服用している状態なので、正直気になって夜も眠れないし、昨日も夜の12時まで起きてた。
本当に科学的根拠がないのか煽り記事なのか何なのか、モヤモヤしたまま過ごすのは嫌なので、自分なりに調べてみることにした。
プラセンタ治療の歴史
美容業界では最近特にプラセンタが大流行りだが、プラセンタを利用した治療それ自体の歴史は古く、何十年も以前から医療現場では存在している。
とはいえ病院などの医療機関で行われているのは、ヒトの胎盤から抽出した「ヒトプラセンタ」を筋肉や皮下に注射するというもの。
豚プラセンタや馬プラセンタなどを用いた美容療法とは、また異なるものだ。
美容業界でプラセンタが一般的に普及し始めてからは、まだまだ日が浅いようだ。
アンチ記事の中には「プラセンタが有効であると証明する文献は、現在のところ存在していない」とまで書かれている。
プラセンタやコラーゲンは効果がないという意見
プラセンタやコラーゲンが美容に有効かどうかについて、疑問を提する意見の中にはこのような見解も見られる。
プラセンタやコラーゲンは経口摂取しても、体内で吸収される頃には分解されてアミノ酸に変わっているだけ。
マジで…?
つまりプラセンタを服用したところで、要するにタンパク質が分解されたもの=アミノ酸を摂取しているのと同じこと。
プラセンタサプリメントを服用することは、豚肉や馬刺しを食べているのと同じことだ。
Oh…。
じゃあ、肌に効果があるという現実は、ただの栄養不足が原因だったというわけか…
実際に普段の食事は質素だし、給料日前なんかにはもやし料理が多くなるもんね。
馬刺し…馬刺しかあ…
確かに毎日馬刺しを食べられるような食生活は送っていないなあ…
…しかしこの記事を読む以前から、疑問に思っていたことはあった。
例えばコラーゲンサプリについて言うと、それらは30代あたりから徐々に減少していくコラーゲンを補うために摂取するものなのであって、当然10代・20代の人間が服用したところで効果的ではないだろう。
そういった点から、プラセンタサプリメントの効果に個人差が出るのは、単に自分の食生活が貧しいからだけなのでは…?といった可能性である。
なのでこの記事の意見を読んだ時には、「えー?!」と思う反面、「やっぱり…?」と思う気持ちもあったのだ。
一定量以上の服用なら効果あり!
「プラセンタはアミノ酸」という主張に対して気落ちしていたのだが、記事には続けてこうも書かれていた。
要約
とはいえ、アミノ酸が栄養素であることに変わりはない。
体に効果があるのかないのかは、プラセンタやコラーゲンの質と含有量にもよるだろう。
一日の摂取量が○○○mg以上含まれているのなら、効果が期待できるサプリといえるのではないだろうか。
○○○mgが何mgであるのかは、この記事の内容がどこまで正しいのか分からないし、鵜呑みにする人がいても困るので、ここではあえて伏せておく。
しかし、プラセンタの品質やアミノ酸の含有量によっては、一定量以上の摂取で効果が期待できるだろう、ということなのだ。
それにアミノ酸が主成分とはいえ、それ単体しか含まれていないわけではないので、「ただのアミノ酸」と言ってしまうのも少々乱暴だろう。
またメーカーによっては、プラセンタに含まれる豊富なアミノ酸を摂取することが重要なのだと説明しているところもあり、「ただのアミノ酸」とガッカリするのは素人考えのようだ。
(アミノ酸量の判断についてはこちらの記事をどうぞ。)

ただ気を付けてほしいのだが、プラセンタを多く摂取すればするほど効果があるというわけではないということ。
プラセンタに限らず過剰摂取は何についても危険である。
20代などの若い女性が、プラセンタを摂取したことによって吹き出物を発症したという事例があるらしいが、まだ若い健康体の状態でプラセンタを服用したために、女性ホルモンの働きが活発になり過ぎたという可能性もある。
人にはそれぞれ、その人に適したやり方というものがある。
自分の体と相談しつつ、上手くサプリメントと付き合っていくのがよいだろう。
プラセンタの有効性を発表した記事
色々とネットで記事を漁っていると、次のような記事を発見した。
それぞれ、製薬会社と美容健康関連企業とが発表した成果内容である。
常盤薬品工業
プラセンタエキス摂取による肌の粘弾性(ハリ)改善効果とそのメカニズムを解明
(2013.6.28)
…プラセンタエキスを経口摂取することで、肌の保湿に関与しているインスリン様成長因子Ⅰ(IGF-Ⅰ)の血中濃度が増加し、肌の粘弾性(ハリ)を有意に改善させることが明らかになりました…
株式会社 協和
「プラセンタ抽出物(粉末)の経口摂取による肌へ有効性を確認」
(2018.8.24)
…プラセンタ抽出物を配合した食品の肌への有効性について研究を行った結果、肌の水分量と弾力を高め、肌色の改善効果、さらに … 乾燥による小皺を目立たなくする効果が判明しました…
上記の研究報告によると、プラセンタには成長因子を活性化させる働きがあり、それによって肌の弾力性などの改善がされるということが確認されたということ。
研究データの数は少ないものの、各商品の製造元の中にはきちんとした実証実験を行っているところもあるようだ。
まあ当たり前か…
食品分野のプラセンタにおいては、いまだ研究の発展途上の段階にあるらしく、有効な研究成果の報告自体は少ないようである。
開発技術やその成果物であるサプリメントなどは、今後どのように発展していくのだろうか。
プラセンタの可能性はまだまだ未知数といえるのかもしれない。
