派遣社員という働き方は、短期間の契約労働という就業形態が自分に合ってさえれば、身軽で都合のつきやすい労働スタイルである。
あなたがもしも派遣社員として働こうとしているのであれば、まずは最初に派遣会社に登録を行うことになる。
その際には是非、複数の派遣会社に登録することをおすすめする。
複数といってもあまり多くの派遣会社に登録を行っても、かえってややこしくて管理が大変になってしまうので、とりあえず3~5社程度の登録で大丈夫だ。
しかしなぜ複数登録をしておいたほうがいいのか?
おそらく派遣社員として働いた経験のある人間ならば、大抵は複数の派遣会社に登録しておくことをすすめるだろう。
理由は人それぞれ違うかもしれないが、ここでは私が特に重要だと感じる3つの理由について紹介させて頂く。
1. 紹介してもらえる仕事の幅が広がる
当然だけど、いくつもの派遣会社に登録しておいたほうが紹介してもらえる仕事の数は多くなる。
派遣会社によって持っている案件はそれぞれ違うので、登録先が多いほど様々な仕事を紹介してもらえる可能性が高くなる。
また派遣会社によって強みのある業種や職種が異なる場合もあるので、もしも特定の傾向の仕事に希望を持っているのならば、複数登録しておくことで自分の希望によりマッチした仕事を見つけることができる。
そして複数登録をした結果、紹介してもらえる仕事が多くなるということは、より早く自分に合った仕事を見つけられるということだ。
つまりブランクを長く空けずに効率よく次の仕事に就くことができるというわけだ。
2. 同じ仕事でも派遣会社によって時給が違う
派遣社員を募集する企業が何社もの派遣会社に同時に募集を持ち掛けることはよくあることだ。
しかし同じ案件にも関わらず、派遣会社によって時給が異なる場合がある。
その理由は様々で、派遣会社のネームバリューの差であったり、契約のタイミングであったり、それまでに派遣されていた派遣社員の実績であったりする。
どういった理由にせよ、同じ仕事に就くのなら100円と言わず50円でも高い条件で契約するほうがいいに決まっている。
特に初めて派遣社員として登録し、どの派遣会社に対してもまだ何の恩も義理も無いような立場だったら尚更である。
いずれかの派遣サイトで自分の気に入った案件を見つけた場合には、他の派遣サイトでも検索をかけてみて同じ案件が無いか、条件に違いが無いかの確認をしておくほうがいい。
また、indeedなどの総合求人サイトで一括検索をしてみるという方法もいいだろう。
3. 派遣コーディネーターとの相性
ネットの口コミサイトなどでは、どこの派遣会社は対応が良いとか悪いとか、そういった様々な評判が多くの派遣経験者から投稿されている。
確かに福利厚生や教育サポートなどについては派遣会社によって特色が異なる。
しかし、「親切な対応をしてくれる」・「サポートが行き届いている」などの人対人の人間関係の話になってくると、同じ派遣会社内であっても各営業所や派遣コーディネーター、営業マンの性格によって異なってくる。
特に第一関門である登録後の仕事紹介については、どのような仕事を紹介されるかは派遣コーディネーターの采配によって大きく左右される。
もちろん派遣登録時のスキルチェックや適性検査の結果なども加味されるのだが、最終的にはコーディネーターの個人的な判断のもとで、どのような仕事を紹介するのかが決定される。
コーディネーターはこれまでに取り扱ってきた案件や派遣した社員などの過去のデータを元に、あなたの第一印象・経歴・スキルチェックの結果などから、どのような仕事があなたに合っているのかの判断を行う。
もしもあなたに関する情報の中に、コーディネーターにとっての何か不安材料が見つかれば、あまりいい仕事を紹介してもらえる可能性は低くなる。
しかしコーディネーターも一人の人間。
派遣登録者の第一印象や人柄についての良し悪しの判断は、コーディネーターと登録者との相性によっても変わってくる。
私は初めて派遣会社に登録を行った際に、大手派遣会社にも関わらず条件の悪い仕事ばかりを2~3件紹介されただけで終わったが、次に登録を行った他の派遣会社ではそれよりもかなりいい条件の仕事をいくつも紹介してもらえた。
もしもあなたが今登録している派遣会社からいい仕事を紹介してもらえなくて困っているのならば、諦めずに他の派遣会社へも登録を行って仕事の紹介を依頼してみてほしい。
頑張って探していけばきっといい仕事は見つかるはずだ。
他の派遣会社へも登録しているのか?と聞かれたら
派遣会社への登録を行い、いざ仕事の紹介をしてもらえるという段階になると必ずと言っていいほど聞かれるのが、
「現在他の派遣会社にも登録を行っているのか?」
といった内容の質問。
派遣登録者の中にはマナーの悪い人もいて、就業が決定したのにも関わらず他の派遣会社からの仕事紹介を理由に就業を断る人もいる。
そのような理由から、大抵の派遣会社では複数登録についてあまり良い顔をされないのだが、もしも複数登録について質問されたとしてもそれについて正直に答える必要は無い。
どこの派遣会社に登録を行っているのかについてはプライベートな事柄であるし、そもそも登録の段階ではその派遣会社の社員でもないので、そのような質問に答える義務は無い。
もしも複数登録について質問をされたら、
「就職活動を始めたばかりなので今のところはこちらだけです。」
「早く就業先を見つけたいので今後は登録していく予定です。」
などと、やんわりと濁した返答をしておけばいい。
「登録の予定はありません!」
と答えるのもいいが、「今のところはないが今後どうなるのかは分からない」といった内容の返答をして、自分自身に限定価値を付加するのも交渉手段のひとつだろう。