もしも今の仕事を辞めたいと思ったら―退職は計画的に!

仕事をしていれば誰しもが一度は「会社を辞めたい」と思うことがあるのではないだろうか。

職場で嫌なことがあった、仕事がおもしろくない、休日出勤が多い、給料が少ない、上司がパワハラをしてくる…
辞めたいと思う理由は様々だろう。

しかし辞めたいとは思いつつも、それでも世の中の多くの人たちは次の日からも変わらずに会社に通い続けるものだ。
なぜなら退職や転職にはリスクが伴うということをよく理解しているからだ。

転職先での人間関係の再構築、仕事を一から覚えなおす労力、昇進の可能性の有無、会社の将来性…
今の会社が嫌だからと退職をしたところで、次の就職先で上手くいくという保証はどこにも無い。
それならばこのまま現状維持に甘んじていれば、今以上には悪くはならないだろうというわけだ。

…しかし本当にそのまま、不満を抱え続けて仕事をしていてもいいのだろうか?

 

スポンサーリンク

その退職理由…本当にいいの?

仕事をしていれば不満や苦労はつきものである。
世の中の大半の人はそれぞれ何かしらの不満を抱えて仕事をしているものだ。
そのウェイトが大きいか小さいかの違いはあるが。

まずやりがい給料人間関係このすべてに満足のいく会社など、今の世の中そうそう無いのではないだろうか。
完璧な職場などまずは存在しないものだと思ったほうがいい。

それでは仕事に多少の不満があっても、そのまま働き続けるのがいいということなのか?

その答えはYesでもあり、Noでもあるだろう。

辞めるべきか辞めざるべきかなんてものは、その時の状況・自分を取り巻く周辺環境・自身の心身の状態… など、様々な要因が関係してくる。
そして何よりも、自分が今どうしたいかのか、どう在りたいのか、この先何を望んでいるのか、そういった自分自身の中にある気持ちや将来像が重要だ。

結局、就職も退職もそれらは人生においての他の選択肢と同じ、何を選ぶのか何を大事に思うのかは、全て自分次第なのだ。

 

では具体的に、自分はなぜ会社を辞めたいと思っているのか?

 

仕事に興味が持てない
上司を尊敬できない
無駄な会議が多い

今の仕事に対して意欲的に取り組めない・社風が古臭くて体質に合わない、といった理由はよく聞くが、確かに毎日モチベーションが下がった状態で仕事をするのは辛いものがある。

しかしそれは退職を決心するほどの理由になり得るだろうか?
もしも他に興味のある仕事があるわけでもなく、現在の待遇面や人間関係が良好であるのならば、退職に踏み出すには短絡的過ぎるだろう。
残念ながら、無意味に思える内容の仕事や規則・年功序列の風土などは、どこの企業にも存在するものだ。

具体的に辞めなければならない明確な理由も無く、退職後のビジョンがあいまいな人は、例え転職に成功したとしても次の職場でも同じことを繰り返すだろう。
安易に退職や転職など考えないほうがいい。

 

パワハラ・セクハラをされている
長時間労働・休日出勤が多い
残業代が支払われない
心身の調子が悪い

職場の人間関係や労働条件が悪い場合、それはともすれば仕事に対する意欲をも低下させかねない。

悪環境で働いていては神経が擦り減るし、健康状態も悪くなる。
そもそもそのような扱いを受けていると、その会社に対する敬意を払えなくなり、結果その職場で働く意欲も無くなってくる。

もしも既に何かしら心身に不調をきたしているのであれば、「もしも転職が上手くいかなかったら…」などと言っている場合ではない。
休職するか、もしくは退職をして別の職場に就くことを視野に入れて考えるべきだろう。

 

働いてみたが自分には向いていない
他にやりたいことができた
スキルアップをしたい

もしも「仕事」そのものに対して転向を考えているのであれば、その時は退職や転職に対する気持ちを具体的な行動に移せばいいだろう。

しかし実際に踏み出す際には、慎重で計画的な行動を取ったほうがいい。
退職するにしても転職するにしても、リサーチやタイミングは重要だ。

辞めやすい時期はいつなのか、逆に希望転職先へ採用されやすいのはいつ頃なのか、自分の今のスキルで需要はあるのか、年齢的にはどうなのか…
無計画に行動を起こすのは危険なので、十分に情報を集めて自分自身の条件と擦り合わせをしておくのがよいだろう。

もしも就職活動をするのなら

転職活動をする場合には、一度退職してから就職活動をする在職中に就職活動をする、の2パターンがあると思うが、個人的には後者をおすすめする。

在職中に就職活動をするメリットは主に下記の通り。

★ 収入源がある
★ ブランクがない
★ 焦らずに就活できる

仕事をしながらの就職活動は大変だと思うが、しかし就職先がいつ決まるのかは誰にも分からないことである。
安定した生活がある状態で、いわゆる「保険」をかけながら次の仕事を探すのが得策だろう。

何より、ゴールが見つからないことへの焦りは人間の判断力を狂わせる。
今転職を悩んでいる人の中には、学生時代に就活が上手くいかずに焦って、納得のいかない就職をしてしまった人もいるのではないだろうか?

焦った結果、希望外の企業へ転職してしまっては本末転倒なので、落ち着いて就職活動ができる状態を維持しておくのがいいだろう。

 

また、転職には具体的にはどのような行動から始めればいいのか。

仕事と就職活動の両立は大変だと思うが、まずはインターネット検索など、簡単なことから始めてみてはどうだろうか。
手軽に市場のリサーチから始められることはもちろんだが、ネット検索なら通勤時間や仕事の空き時間などに調べることも可能である。

中には仕事中に会社のパソコンで求人検索をする強者もいるそうだが…
上司や同僚に見つかる可能性もあるので、くれぐれも注意をしてほしい。

ネット検索でまずは市場をリサーチをして、今の自分に需要はあるのか、スキルは十分なのか、年齢は、経歴は…などといったことを調べてみよう。
もしも今のうちに勉強や資格取得など、できることがあればやれる範囲でやっておくのもいいかもしれない。

就職活動に自信がない・誰かにアドバイスをしてほしいなど、自分だけで就活することに不安を感じる人は、転職エージェンシーなどのプロに相談をするというのもひとつの手段だ。

退職を決意してから気をつけること

例え今の会社を辞めようと決意したとしても、周囲の人間にそのことについて気付かれないようにしておこう。
職場によっては周囲の人間から退職希望者に対する嫌がらせや、または引き止め・転職活動の妨害をされる可能性もあるからだ。

上記のインターネット検索の件もそうだが、電話での会話や有給の取り方など、ふとした瞬間に周囲の人間に知られる可能性がある。
また、退職に起因する気の緩みから、仕事に対していい加減になる・もしくは逆に機嫌が良くなる・有給・特休が増える・出勤時間ぎりぎりに来るようになる…等は特にバレやすい行動なので言動には注意をしよう。

最悪、ばれたものの転職先が見つからないという可能性もあるので、きちんと次の仕事への地盤が固まるまでは気を抜かないようにしよう。

転職は案ずるより産むが易し

最近は不景気のために、大企業だけではなく中小企業の正社員になることもなかなか難しい現状である。
そのために仕事に不満を持っていても今いる会社から離れられずに、退職することに対して必要以上に不安を感じて転職に踏み切れない人もたくさん存在する。

しかしいざ求職活動を始めてみると、自分が思っているよりも案外すんなりと仕事が見つかったりすることもある。
自分が初めて就職をしたときに比べて、景気や採用状況などは日々変化をしている。
また、企業によっては積極的に将来性のある中途採用者を受け入れているところもある。

就職はタイミング・巡り合わせなどもあるので、焦らずにじっくりと、時には休憩を挟んで、自分のペースで探してみるのがいい。

転職をしたいと思ったら、まずは行動をしてみることが大切だ。