何らかの事情で会社を退職しようとした時に、引き止めに合ってしまったという人は多いのではないだろうか。
できれば穏便にすんなりと辞めてしまいたいものだが、会社側としてはスタッフの離職は何とかして食い止めたいところだろう。
退職理由によっては、上司や人事から問題に対する改善策や条件を提示される可能性もある。
しかし、例えもしも何らかの引き止め条件を提示されたとしても、どうか一時の感情に惑わされずに、退職には強い意志を持って行動をしてほしい。
自分はなぜ退職しようと思うのか?
もしも会社側から退職の引き止めに合った時には、まず最初に自分がなぜ退職をしようと思ったのかを思い出してほしい。
何か理由があったはずだ。
給料が安い、休みが少ない、パワハラがひどい、昇進が望めない、会社に限界を感じる… などなど。
今いる会社では続けていけない、何かしらの事情があったからではないのか?
この先に行き詰まりを感じることや、自分の生活に支障をきたすことがあったからなのでは?
現在の自分の人生において最良の選択をするために退職を決意したというのであれば、その決断を簡単に揺るがせてはならない。
揺れちゃダメ!!引き止めパターン
引き止めには色々なパターンがあると思うが、よくあるパターンとそれに対する注意を書いておくので、当てはまるものがあったら参考にしてほしい。
君がいなくなったら困る・持ち上げ型
「君のような人材がいなくなっては困る・会社には君が必要だ」というようなことを言ってくる場合。
自分が評価されており、会社にとって価値ある存在なのだとうれしい気持ちになるかもしれないが、そこで単純に喜ぶのは青い反応だ。
社会に揉まれて薄汚れてくると、「そりゃそうっすねーこの給料でこんだけ働いてたらねー」ぐらい思えるようになる。
甘言に気を良くして退職を撤回するのだけはやめておこう。
君がいなくなったら困る・泣き落とし型
「君がいなくなっては仕事が回らない・今辞められたら困る」といった、職場が大変になるという事情に訴えてくるとき。
このような場合、同情したら負け、くらいの気持ちで冷静に対応をするのがいい。
会社や上司にもあなたに辞められては困る事情があるけれど、あなたにだって辞めなければならない事情があって困っているのだ。
お互いがお互いの都合を通したいと思っているのだから、何も会社のために自分の人生を犠牲にすることはない。
給料アップ
引き止めの際に、昇給を条件に持ち出されることがあるかもしれない。
しかし気を付けてほしいのだが、それは待遇の変更として間違いなくしかるべき所へ話が通されていることなのか。
もしも2つ返事で「今度人事に話しておくよ!」などと言われた場合には、ただの口約束に終わるだろうと思っておいたほうがいいかもしれない。
実際に給料を上げてもらえることもあるらしいが、しかし退職の理由が給与面でない場合には、そのような内容には話を持って行かないほうがいいだろう。
労働条件の改善
残業が多い、休日出勤が多い、人手が足りない、などの労働条件についての改善を提案された場合。
そもそもそのような悪環境は1日2日で出来上がるものではないので、今日明日にでも改善できることではない。
業務が多いのであれば、負荷がかかりやすい仕組みがあるのかもしれないし、人手が足りないのであれば、人員が集まらない・もしくは集める気がないのかもしれない。
いずれにしても「改善する」と言われたところで、それがいつ実現されるのかについては簡単には期待ができない。
人間関係の改善
人間関係を理由に退職したいと伝えた場合、会社側から何かしらの改善策を提案されるかもしれない。
もしも部署変え・配置変えなどの具体的な措置を取ってもらえるのならば問題が解決する可能性もある。
しかし気を付けてほしいのが、「注意をしておくから」といった口頭注意の対応を取られる場合。
「注意しておく」は実質何もする気がない時によく使われる言葉だ。
実際に注意してくれることもあるが、しかしそれは本当に「注意する」だけで終わることが多い。
そのような場合、事態は余計に悪化する可能性がある。
セクハラが粘着質なパワハラに変わる、パワハラがもっと陰湿ないじめに変わる…というようなことも珍しくはない。
もしも引き止めに応じてしまうと…
もしも一時の情に揺れて引き止めに応じてしまったら、その後どうなるのか。
また同じ会社で毎日過ごすうちに、「どうしてあの時引き止めに応じてしまったのか…」と後悔の念が生まれて来はしないだろうか?
そして何より、後悔したところで一度撤回した退職の意思を、もう一度同じように切り出せるだろうか?
切り出せたところで「あの時は辞めないと言ったじゃないか!」と言われるかもしれないし、一度引き止めに応じてしまったら、「こいつはちょっと機嫌を取っておけば懐柔できる」という認識で見られることにもなる。
まずは自分のために決断を!
退職を引き止められる際には、「全体の業務に支障が出る」「周囲に迷惑がかかる」などと言われるかもしれない。
しかしたいていの場合、誰かがいなくなったことで支障が出るのは最初のうちだけで、しばらくすればまた以前と同じように職場は変わらずに機能していくものだ。
「会社」の中において、自分が抜けた穴を埋めることは他の誰かにでもできることなのだ。
会社の仕事は誰か他の人にでも代わることができる。
しかし自分の人生には誰でもない自分自身しかいなく、後からやり直すこともできないのだ。
転職を引き止められている人には何度でも口酸っぱく言うけど、一番大事なのは自分だから!
会社が会社の都合で退職を引き止めてくるのなら、あなたにだってあなたの都合で会社を辞める権利がある。
だから気にせずに、自分のために自分の人生を選び取るといい。